
成道会の道統
成道会が誕生したのは、昭和58年4月であった。
顧みればその1年前の昭和57年3月、恩師(綾瀬貞男)が千葉のご自宅に
帰られる途中交通事故に遭われ帰らぬ人となった。当時49歳という若さであり
誠に残念至極である。
私が、その拳栄会・綾瀬貞男師範の門をたたいたのは、昭和43年に狛江支
部が出来た時の最初の入門者としてである。当時は喜多見の国本学園の
体育館を使用して稽古をしていた。拳栄会は、大田区六郷に本部道場があり
横浜、狛江、スペインに支部を持つ、小さな会派であり、正式には日本空手道
玄制流拳栄会と称していた。
師の「道統」は、玄制流(宗家 祝嶺制献)を長年学び、松濤館流・中山正敏
師範、糸州流・金城裕師範にも教えを受けた。
恩師亡き後、昭和57年3月、いやおうなく全責任を持って指導をしなければ
ならなくなったが、指導者である以上、自らの修業を怠ることは許されないと、
その1年間は寝る時間も惜しんで技術研修に励み、ますます空手道の奥の
深さに魅せられていった。そして拳栄会の運営・指導と頑張ってきたが残念
なことに、大黒柱を失った事でまとまりを欠き組織運営は困難になり1年で分
裂同然となり、やむなく狛江道場も閉鎖し、「成道会」として新しく出発した。
この成道会も玄制流独自の強烈な特性を活かして、独自の品位、格調の
高い空手道の指導理念を継承してきた。
ここで「成道会」と命名したいわれを説明すると、成道会の「成道」とは空手
道という「道」を成す、悟るの意味と私の苗字の一文字を取ったこともある。
後に解ったことだが仏教では成道(じょうどう)と読み、悟りを開くという意
味であり、成道会(じょうどえ)、毎年12月8日釈尊成道の日として行う法会
と仏教ではなっている。又、これは余談になるが偶然にも私の祖父の戒名
が成道居士であったことである。成道会と名付けたのは、空手道を生涯にわ
たって修業し「道」を悟るまで学ぶ会にしたいということである。その成道会も
狛江市ですくすくと育ち、やがて開花し、実を結んで、成城・麻生(川崎市)・
府中・世田谷南・駒場・二子玉川・日本橋等・海外ではスペイン・スリランカ
コートジボワール・アメリカ等、確実に根を下ろすに至ったのである。
将来に向かって大きく流動してきた空手界の中で私達は一歩一歩を積み
上げてここまで来る事ができた。我々の歴史は浅く、組織も小さいが、一人
一人が研究し、努力し、練磨する事で、正しい玄制流空手道を伝え、次の時
代を託する人材を養成できる筈である。新総本部道場の完成を機に、成道会
は大きな希望をもって前に向かって進んでいきたい。
そのためには今日に至るまでの努力のあとを振り返り、深く反省するべき
ところは反省して、前進の糧とし、そして21世紀になった今、輝かしい成道会
の歴史が作られる事を心から願っている。

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